芝郵便局(東京都港区)の元課長が約2億7,000万円分の切手を着服したとして逮捕された事件が報道されました。
容疑者の元会計担当課長は実名を公表され既に懲戒解雇、横領罪で起訴されています。
とんでもない金額ですが、郵便局の管理はどうなっているのでしょうか?犯罪の手口を調べてみました。
事件の経緯
容疑者は14年夏以降に企業が郵便料金を事前に支払うために持ち込んだ切手を着服して金券ショップで換金していたようです。
金券ショップの普通切手の買取相場は高く額面の80~92%程度はあるようです。2億7,000万円分の切手を着服した容疑者は現金で約2億5,000万円を手に入れていたことになります。
容疑者は当初、「慈善団体に寄付するつもりだった」と話していたようですが容疑を認めてからは「知人女性との交際費に充てた」と話しているそうです。
それにしても大した度胸ですね。言い訳も面白すぎます。
手にした現金は、銀座の女性にでもつぎ込んでいたのでしょうか。
容疑者は49歳の課長職らしいので普通に定年まで過ごしていれば退職金含めて1億円超えの収入は見込めたのに全て失ったわけですね。
犯罪の手口
企業が郵便に使用する料金別納郵便を御存知でしょうか?
料金別納郵便では切手シートで郵便料金をまとめて支払う事ができ、郵便局では支払いに使われた切手には消印を押して細断し処理するよう決められていたようです。
容疑者は、これをせずに切手を持ち出し金券ショップで換金していたようです。
管理している役職者だったからこそ犯罪が可能だったのでしょう
しかし、郵便局もずさんですね。チェック体制をもう少ししっかりとマニュアル化させるべきだったのではないでしょうか。
皆さん思っていると思いますが氷山の一角だと思います。地方の郵便局でも同様の不正がある可能性が非常に高いです。
郵便局では、完全な対応方法がないと判断したのか、割引制度を使う場合は切手による料金別納を受け付けないようにしているようです。
金券ショップの対応に問題なかったのか
金券ショップは主に駅のそばには存在して新幹線や映画のチケット、金券や切手等を販売しています。安く購入できるため私もたまに活用します。
金券ショップからすると商品(金券類)を入手しないと商売になりません。お客が持ち込みした金券類は喜んで買い取ってくれるでしょう
しかし、買い取りにはある程度ルールがあり1万円以上の買い取りであれば身分証明書が必要になったりするのですが、お店によっては偽名でも、身分証明書さえも必要ないところもあるようです。
今回の事件はこのような店を使ったのか複数店舗を使ったのか定かではありませんが、金券ショップでも買い取りルールをもう少し徹底する必要があると思います。
最後に
金融機関での今回のような事件は頻繁にニュースになります。
犯罪防止のために監査を行ったり、社員は頻繁に転勤させたりするのでしょうが、それでも犯罪が起きているのが事実です。
郵便局の切手横領事件も数年前に神田郵便局でも起きています。
犯罪を犯す人は悪いですが、犯罪を起こせるようなシステムにしている企業はもっと問題だと思います。
今回、郵便局は業務改善を行ったようですが、このような事件が続かないことを願いします。